2016年8月24日水曜日

シン・ゴジラ

2016年のゴジラ最新作「シン・ゴジラ」を観てきました。

結論から言うと面白かったです。

以前、USゴジラ2014を観たときは、ハリウッドだからという甘めの評価と劇場効果補正でソレはソレで楽しめたんですが、この間TV放映されたのを改めて観て、ちょと冷めました。
やっぱ、劇場の迫力が無いと、ストーリがハリウッド過ぎて面白くない。
結局、核兵器を容認する内容だし、映像は凄いが話がクソというセオリーは生きているようです。

雲がソレっぽかった
んで、今回の「シン・ゴジラ」ですが、「エヴァンゲリオン」の庵野監督と言うよりは「トップをねらえ!」の庵野監督と言った方が良さそうです。

ここまで言えば分かる人も多いと思いますが、はっきり言って目新しい要素はほとんど無く、過去からの様々なネタのオンパレードな作品になっています。

こういう言い方をすると否定的に捉えられそうですが、意外にそうでもありません。

まず、効果音や音楽は昔の物を踏襲しているので、違和感をほとんど感じない。
むしろ初代ゴジラを意識した音響や後世のアレンジが多いので耳から受ける印象はとても良い。
ネタを知らない人は素直に観れるし、知ってる人はさらに楽しいといった感じ。


パンフレットは勿論購入したんですが、CDも注文しちゃいました。

パンフレットは勿論購入
映像に関しては多少残念な点がある。
ロケとCGの合成の為か、解像度や被写界深度に違和感のあるシーンが最初の内は結構多い。

あとは液体の表現がいかにもパーティクル技術っぽい所とかがあり、CGや合成の雰囲気を脱し切れていない。
特撮っぽいといえばそうなんだろうけど、全体の絵の親和性に関してはUSゴジラの方が良かったです。

ストーリーは日本人好みだと思います。

今までの平成ゴジラシリーズのように、裏付けの乏しいトンデモ兵器が出てきたり、スーパーヒーローが幾多の死線を乗り越えるというアメリカンな展開は一切なく、現状の日本政府がみんなで力を合わせて何とかしようとする、裏方主役のムズムズと歯がゆい非常に現実的な展開です。

「劇場版パトレイバー」を観たことがあれば、押井監督っぽい臭いが垣間見えたりもします。
この年代の監督には同じようなセンスがあるのかもしれない。

そんな中で、設定に「独立愚連隊」や「(旧)日本沈没」ネタが入っていたり、「イデオン」や「ガンバスター」を彷彿とさせるネタがあったり、普段無表情な女性が最後に笑顔を見せるとかいう、エヴァ的なネタも。
昼行燈が地味に有能というのもね。
作戦名も日本神話からですが、日本らしいかなり地味な作戦なので、それがかえって手に汗握ります。

ただ、全体的に政治中心の話なので、子供にはわかりにくいでしょうね。
頻繁にトイレに行くガキンチョがアレなくらいで、観客のマナーが良かったからなのか、ストーリーに見入っているからなのか静まり返った館内で、気持ちよく鑑賞できたのは良かったです。

今作はネタだけでなく、ゴジラ自体の再考証が色々なされているんですが、火炎放射能の考証は好きですね~。
出力変化について「なるほど」と思わせる解釈がなされています。

ただ、一番最後のアレはいけない。
私的には「怪獣王」は一個体としての圧倒的な絶望感が望ましいので、USジラ的なアレは蛇足だと思うんですよ。

改めての感想は、「シン」が新でも真か神でもコレはコレで面白く鑑賞できました。
DVDが出たら買おうかな?

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